本研究科卒業生の寺井雅人さんらの共著論文が Research Methods in Applied Linguistics 誌に掲載

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本研究科 英語教育学専攻の博士課程を2023年に修了した寺井雅人さん (現 愛知工科大学 助教)と、中央大学 福田 純也 准教授の共著論文が、国際誌 Research Methods in Applied Linguistics に掲載されました。おめでとうございます!

Fukuta, J., & Terai, M. (2026). Negative entrenchment and statistical preemption in L2 acquisition: A scoping review with methodological directions. Research Methods in Applied Linguistics, 5(1), 100291. https://doi.org/10.1016/j.rmal.2025.100291

研究概要:

本論文は、第二言語学習者が目標言語に存在しない文法形式をなぜ自然に使わなくなるのかという問題について、「否定的定着(negative entrenchment)」と「統計的先取り(statistical preemption)」という二つの主要メカニズムに注目し、1993年から2024年までに発表された24件の第二言語研究を体系的にレビューしたものです。先行研究では、これらのメカニズムが第二言語学習において機能することを示す報告がある一方で、効果が確認されない研究も一定数存在しています。本論文は、こうした結果の不一致が研究デザイン、学習者特性、分析対象の言語レベルの違いによるものではないことを示し、学習者がすでに有する母語で確立された知識や、普遍的な言語制約が、統計的学習メカニズムと複雑に相互作用している可能性を指摘しています。また、本論文は今後の研究に向けて二つのアプローチを提案しています。第一に、第二言語のインプット、母語の影響、普遍的制約を統一的に評価できるベイズ統計モデリングによる統合的アプローチ、第二に、人工言語学習を用いて母語の影響を最小化し、メカニズム自体を分離的に検討する実験的アプローチです。これらを補完的に用いるとともに、データ共有の透明性向上など、方法論的厳密さの強化の必要性も指摘しています。

著者コメント(寺井雅人さん)

第一著者の福田さんとは大学院の在籍時期が重なっておらず、また研究科も異なりますが(そのため第二著者の僕がコメントを書いています)、共に山下淳子先生のゼミ生という共通点があります。このようなご縁から、私が博士前期課程に在籍していたことから、論文の輪読や共同研究を通して勉強させていただきました。横の繋がりだけでなく、縦の繋がりもあるのが人文学研究科 英語教育学分野の強みの一つだと思います。これからもこの強みを生かして研究に取り組んでいきます。

本学を卒業した後に、在籍年度を超えてコラボレーションが活発なのも名大の強みです。

今後の卒業生の活躍にもどうぞご注目ください!